ワインを語る前に造り手を知れ。
だから、僕は旅に出る
人生において、どれほどの種類のワインを飲むだろうか。ヴィンテージと呼ばれる上質な一本、名地から生まれた一本、自然農法にこだわったナチュールのグラス、はたまたカジュアルなテーブルワイン。おそらくその数は膨大だ。しかし、飲んだワインの数を造り手と出会った数に主語をすり変えると、一気に減るだろう。ワインがもたらす幸福は、飲んだ本数や杯数では決まらない。出会いの数だけ感動を呼ぶのだ。
写真=村上悦子 文=倉持裕一 編集=萩原祥吾(oval inc.)