多様化するオンロードSUVの足下を支えるタイヤは重要なピース

SUVは車高の高い視界の良さや空間の広さ、積載性などの実用面はもちろん、個性的なデザインはアクティブさや自分らしさを表すこともできる魅力的なモデルも多い。そしてそこに保たれたプライベートな移動空間は、今、改めて見直されている。例えば街中を中心に日常的に使う場合でも、慌ただしい日常、クルマの移動が気分転換になることもあれば、ショッピングやレジャーを楽しんだ後のセカンドルームのような車内に戻りホッと安堵できる場所になる。ウイルス感染対策についても公共の乗り物よりも安心/安全な移動が可能だ。

そんな空間移動を可能にするクルマにとってタイヤはハンドリングに磨きをかけることもできれば、運動性能の向上によって意のままの走りが運転中のストレスを軽減することもできる。静粛性や乗り心地を向上させることでより快適な空間をつくることも可能だ。そこでユーザーの愛車やそこに乗る人たちへのこだわりをチューニングできる最初のピースになると言っても過言ではない。

オンロードSUVは電動化が進む今、パワートレーンの選択肢も増えてライフスタイルやライフステージに合ったモデル選びもしやすい

ブリヂストンは背が高く車重も増すSUVの走りを足下で支え、多様化するSUVユーザーの走りの質や好みをアレンジしたいというニーズを叶える、プレミアムSUV向けのオンロードタイヤ『ALENZA(アレンザ)』をラインナップしている。

今回は走行中のふらつきを抑え、静粛性と高い耐摩耗性を特徴とするコンフォートタイヤ『ALENZA LX100』、高い運動性能、低燃費性能、ウエット性能にも優れたハイパフォーマンスタイヤ『ALENZA 001』を最新のSUV EVに装着し、それぞれのキャラクターを探ってみた。

世の中はカーボンニュートラルに向かって様々な取り組みが行われており、日本の自動車メーカーは2035年までに乗用車の新車の電動化100%を目指す。そこでハイブリッド、マイルドハイブリッド、プラグインハイブリッド、バッテリーEV、水素燃料電池車と多種多様のパワートレインを持つモデルが必然的に増え、最近、国内外ブランド問わずEVのラインナップが増え始めていると感じている方も多いのではないか。

SUVはEVとの相性がいい。床下にバッテリーを敷き詰めたEVは背の高いEVを低重心に保ち、フロアがフラットでゆったりとした室内をより快適で実用的にパッケージ/デザインしやすい。一方でそもそも車重が重くなりがちである上、SUVは全高も高い。そこで足下を支えるタイヤの存在は大きい。カーブや山道での安定感は「SUVとしては」優れるモデルも多いが、低全高のワゴンなどと比べてハンドリング面で不利なのは否めない。

またモーター駆動のEVは「静か」というのは正解ながら、厳密に言えばそのレベルは様々だ。エンジンを搭載しない分、音や振動が減れば自動的にクルマの静粛性が増すかと言えば、これまでエンジンが走行中に発生するノイズを打ち消す役割を果たすこともあったのだ。EVは特にタイヤが発するノイズが車内に聞こえやすく、ボディの防音/消音対策が一層求められるのも事実。さらに静かな室内ではちょっとした乗り心地の不快さも目立って露呈してしまう。そこで静粛なEVならなおのこと乗り心地にこだわれば、その魅力も一層増すだろう。

 

静粛性の高いSUV空間をより快適に楽しむために

現在のメルセデスのSUV EVラインナップのなかで最もコンパクトな『EQB』はパッケージングにもEVのメリットが活きる

『ALLENZA LX100』をメルセデスベンツEQBに装着してみた。日本の道路環境下でも取り回しのよいボディサイズに最大7人の乗車も可能な3列シートを備えるメルセデスベンツのEQBは子育て世代のファミリーやダウンサイジングをSUV EVで検討される方の選択肢となりそうなモデルだ。

『ALLENZA LX001』は高い耐摩耗性を保持しながらブリヂストンのサイレントテクノロジーを採用した静粛性、さらにふらつき低減を特徴とするコンフォート系SUVタイヤだ。タイヤの摩耗を遅らせる性能を持つタイヤと聞くと少し硬めのゴムを想像したくなるけれど、駐車場から道路に出る際の段差を通過するだけでも足下の当りは硬質さが除かれ、感覚だけは凹凸を通過したことがわかるというものだった。また道路の舗装は常に同じというわけでなく滑らかだったり粗かったりする。例えば大粒のザラメのような路面ではそれらを覆うように静粛さの高さを感じ、ヒタッと吸い付くような静かさが優しい。

安定感のあるシットリとした走りを得ることで、物理的な重量とは異なる“質感”という意味での“重厚さ”が際立ち、プレミアムSUVの乗り味の満足度を一層高めてくれる。

高速道路では直進性も高く、静粛さやふらつきを抑えるタイヤの効果は快適さのその奥にある“疲れにくい=セーフティドライブ”に繋がることを実感できた。

高次元の静粛性とSUV専用設計によるふらつきの低減、そして耐摩耗性にも優れた『ALLENZA LX100』は、EVのみならず様々なパワートレーンを持つSUVの足下の洗練に期待できる

これなら静粛な室内で肩の力を抜いて家族や仲間たちとの会話をしながら快適なロングドライブもますます楽しめるだろう。静かな車内では同乗者との会話や音楽などのエンターテインメントも一層、楽しめる。タイヤを換えたらBGMへのこだわりも強くなったという方が現れても不思議ではない。『ALLENZA LX100』なら静粛性がもたらす室内空間のアップデートも可能だ。

静寂のSUV EVで味わう新感覚ドライブに磨きをかける

『ALLENZA 001』はアウディのe-tronに装着した。

モーター制御のクワトロ(AWD)が生み出すハンドリングと走りの安定感の洗練も特徴の一つとなるアウディ初のEV『Audi e-tron』

e-tronは一般的なSUVのなかでも全高は低めに抑えられてはいるもののボディサイズは大きく、比較的長距離のドライブもこなすだけのバッテリーを搭載するその車重は2.5tを超える。ただ、このクラスとしては平均的だ。とは言え、そんなSUV EVの車重を支えながらより走行安定性を高め、さらにスポーティなハンドリングにも磨きをかけたいという思うと、そのハードルはさらに上がるのは間違いない。

『ALLENZA 001』はオンロードの高い運動性能を主軸に置き、さらに低燃費性能、ウエット性能をバランスさせたSUV専用設計タイヤだ。特徴はタイヤの骨格部分をベルト補強材などで重構造とし、高剛性を保ち、高負荷のかかるドライ路面での高性能を実現している。一方、パターンではマルチラウンドブロックを採用することでウエットグリップも向上、ブロックの角を丸めることで制動時のブロックの変形を抑え、フラットな接地でより制動性能を確保している。

『ALLENZA 001』を装着したAudi e-tornは乗用車感覚のドライブが可能なだけでなく、スッキリとしたハンドリングフィールに軽快感も増すようだった

街中を走り始めたところから直進の安定性に「疲れにくそうだな」と頭のなかで呟いていた。クワトロの恩恵ももちろんある。ただ、静寂な車内は手軽に“研ぎ澄まされた感覚”の状態をつくりやすく、良くも悪くもタイヤの力量も意識し理解やすくなる。コーナーでは4つのタイヤの“面”が接地する感覚を確かに感じながら、車重を気にせずドライブすることができた。タイヤの剛性を高く保つことでしっかりと“面”が使えている証拠だ。ステアリングの応答はシャープだけどナーバスに反応するわけではなく、EVのダイレクトな加速性能を確かに路面に伝え、走り、曲がり、減速感もナチュラル。静寂のコクピットのなかでワインディングドライブをしていたら、少しオーバーな例えだけど、自らが走る様子が、まるで消音でTV鑑賞するフィギュアスケーターのような優雅さが頭に思い浮かんだ。乗り心地も少しも犠牲になってはいない。転がり抵抗を抑え低燃費燃/低電費も実現。郊外に出かけることが多い方、ハンドリングにこだわりたい方に『ALLENZA 001』は頼もしさと楽しさを併せ持つ最良の選択肢になるだろう。

大柄なSUVこそ足下のシューズを履き替えてみない?

正直なところ、現代の新型車に与えられる様々な性能はデフォルトの状態でも十分、満足しているのではないか。ところがマイナーチェンジをすると洗練や熟成が増すものだから、ズルい、でも嬉しい、そしてキリがない。その点、タイヤは足下の性能をユーザーが自ら好みに応じてアップデートできる。

SUV専用設計タイヤの『ALLENZA』はパワートレインが多様化するSUVの走りや快適性の質を高め洗練させてくれる貴重なパーツ=ピースとなる。

今回は最も重量級のSUV EVに2種類の『ALLENZA』を装着してみたが、クルマの「走る・曲る・止まる」の運動性能の質や洗練を足下で補い、高め、洗練させてくれる貴重なパーツ=ピースとなることが改めて確認できた。

SUV専用設計タイヤ『ALLENZA』はブリヂストンのコンフォートタイヤ開発の歴史、モータースポーツで磨いたテクノロジーが目には見えない細部にまで施され、重量級の背高なSUVの足下を洗練させている

走行安定性を高めより静かな車内でリラックスしながら移動を楽しみたいという方にはコンフォート指向の『ALENZA LX100 』。環境性能も意識しながらハンドリングに磨きをかけたいなら低燃費性も向上したハイパフォーマンスタイヤ『ALENZA 001』をお勧めしたい。アナタ好みのALENZAというシューズで足下のアップデート&グレードやリフレッシュを試してみてはいかがだろう。

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