ナイジェル・マンセルの「ウィリアムズ FW14B」で、ヒルクライムレースのスタートにつくセバスチャン・ベッテル。

ベッテルがe-fuelでヒルクライムにトライ

2022シーズンを最後に現役を引退したセバスチャン・ベッテルがこの日ハンドルを握ったのは、個人コレクションとして保有する、ナイジェル・マンセルの「ウィリアムズ FW1​​4B」(1992年)と、アイルトン・セナの「マクラーレン MP4/8」(1993年)の2台。つまりヒルクライムに2度トライしたのである。特にウィリアムズ乗車の際には、ヒルクライムコースのメインストレッチでタイヤから煙を上げつつ“ドーナッツ”を披露するなど、「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(FoS)」の最終日を大いに盛り上げた。

ファンの声援に応えるセバスチャン・ベッテル。
レース直前の最終調整にも余念がない。
ジャッキー・スチュワートと言葉を交わす。

「ウィリアムズ FW1​​4B」、「マクラーレン MP4/8」。どちらもF1史を代表する名車として知られるが、マンセル・セナ時代との大きな違いは、どちらもe-fuel(石油由来よりも環境にやさしいとされる合成燃料)を動力源としている点だ。その理由は、ベッテルが立ち上げた再生可能エネルギー由来の燃料採用を呼びかけるキャンペーン「レース・ウィズアウト・トレース(Race without Trace)」。この活動を通して、ファンのみならず、モータースポーツ関係者に対してもサステナブルな燃料の使用を呼びかけている。

「昔のクルマであっても大きな負担なくe-fuelで走ることができます。旧車、F1カー、現行のロードカーなど、どの時代のどのクルマにもe-fuelを適用できます」とベッテル。「(石油由来に代わる)代替燃料があることをみんなに知ってほしい。世界はこれまでにない変化を経験していますが、昔から愛するクルマを諦める必要はありません。(e-fuelを使うことで、環境に対して)もっと責任あるカタチで自動車文化を楽しむことができるのです」。

ミック・シューマッハが父親のF1カーをドライブ

また現在、メルセデスAMGペトロナスF1チームのリザーブドライバーを務めるミック・シューマッハが、2011年シーズンに父親のミハイル・シューマッハがそのステアリングを握った「メルセデスAMG F1 W02」でヒルクライムにトライ。ミハイルのオーバーオール、ヘルメットも着用して臨んだミックは、「短いコースとはいえ、この時代のF1カーを体験できるなんてものすごく貴重だよ。自分の父親が運転していたとなればなおさらだ。いろいろな感情に圧倒されそうだった」と語った。

ファンのリクエストに応えてサインをするミック・シューマッハ。

さらには、記念すべき100周年を迎えたル・マン24時間耐久レースを見事に勝ち抜いたフェラーリチームからアレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラド、アントニオ・ジョヴィナッツィらのドライバーも姿を見せた。新旧の名車が前庭を埋め尽くし大勢のフェラーリファンが集まったグッドウッド・ハウスでは、1965年以来となるスクーデリアのル・マンでの勝利を祝う盛大なセレモニーが行われた。

グッドウッド・ハウスの前庭に詰めかけたフェラーリファン。
今年のル・マン24時間耐久レースで優勝を果たしたフェラーリチームから、アレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラド、アントニオ・ジョヴィナッツィ。

“世界一美しいクルマ”を競う

ヒルクライムレース以外にも数多くの豪華コンテンツを楽しめるのが、FoSの大きな魅力。その一つが、「カルティエ・スタイル・エ・リュクス」だ。眩いばかりの緑の芝が広がる一角を会場に、博物館に収蔵されていてもおかしくない、希少かつ個性豊かなクラシックカーが並び、“世界でもっとも美しいクルマ”の座を競う。

「カルティエ・スタイル・エ・リュクス」の会場でポーズをとる、プロボクサーであり、モデル・活動家としても活躍するラムラ・アリ。
審査員に名を連ねたイギリス人女優のエマ・コリン(中)。

アップルのチーフ・デザイン・オフィサーを担当したジョナサン・アイブや、世界的デザイナーのマーク・ニューソンなど審査員も豪華そのもの。最終的には、ガーニー・ナッティングの「ベントレー 4 1/4リッター・ロスチャイルド・セダンカ・クーペ」(1937年)が今年のウィナーに選ばれた。

ちなみに2024年のFoSの開催期間は近日中にアナウンスされる予定になっている。

Sunday full highlights | Festival of Speed 2023

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