このクルマを選んで本当によかった

「クラウン(スポーツ)をわが家のファミリーカーに選んだのは西田ですけれど、この色に決めたのは私なんです」

バレーボール女子日本代表のキャプテンとして活躍し、パリ五輪を最後に引退した古賀紗理那さんは、そう言いながらアッシュというボディカラーに視線を送った。「西田」とは古賀さんのご主人で、やはりバレーボール男子日本代表の西田有志さんだ。

「西田は本当にクルマが好きで、世界中のありとあらゆるクルマの情報を集めています。その西田が選んだということは、クラウン(スポーツ)は多くのライバルが参加した厳しい予選を勝ち抜いたクルマだということになります(笑)。最初は白か黒にしようと思っていたんですが、カタログでこの色を見つけて西田に提案したところ、“カッコいいじゃん”ということになったんです」

リアフェンダーが筋肉のように盛り上がったクラウン(スポーツ)のスタイリングとシックなボディカラーの組み合わせは、知的なアスリートといった趣。古賀さんにぴったりとフィットする。

「九州の高校を卒業してすぐに交通の便がいい関東のチームに入ったので、運転する必要がなかったんですね。でも西田の所属チームの関係で関西に暮らすことになったので、運転ができたほうが行動範囲も広がると思って、教習所に通いました」

そこで今回は、クラウン(スポーツ)と共に、古賀さんにおすすめしたい関西のスポットを巡っていただくことになった。スタートとゴールは、古賀さんのお住いのある関西エリアとなる。

「改めて近くで見るとすごく格好いいですね」と笑顔でクラウン(スポーツ)の運転席に乗り込んだ古賀さんは、「インテリアも上品ですごく気に入っているので、このクルマにして本当によかったです」と大きくうなずいた。簡単に目的地へのアクセスのレクチャーを受けて、古賀紗理那さんのクラウンとのドライブがスタートした。

素晴らしいデザインに囲まれると、人は豊かな気持ちになる

トヨタ・クラウン(スポーツ)のステアリングを握った古賀さんは、取材ということもあって最初は緊張の面持ちだった。けれども、 10分、20分と普段どおり運転を続けるうちに、笑顔が見られるようになった。

「SUVらしく車高が高いせいか見晴らしがよく、上質なシートのホールド感も相まって、リラックスして運転することができます。エアコンやナビゲーションも直感で操作できるので、すぐに慣れました」

最初に立ち寄ったのは、信楽焼の産地として知られる滋賀県信楽町の「NOTA&design」。信楽焼の陶器をメインに、アートやファッション、デザインを発信するギャラリー兼ショップだ。

交通量の多い国道を外れて、里山の風景の中をクラウン(スポーツ)が行く。「室内がすごく静かで、周囲の景色とマッチしていますね」と古賀さんは感心した様子だ。電気でもガソリンでも走れるPHEVなので、状況に応じてシームレスにEV走行に切り替わるためだ。

「NOTA&design」に到着すると、オーナーでクリエイティブディレクターの加藤俊介さんが出迎えてくれた。新居のインテリアのコーディネイトを思案中だという古賀さんは、熱心に陶器やアート作品、家具などをチェックする。加藤さんによれば信楽焼きの特徴は、原料の可塑性の高さにあり、食器だけでなく大きな作品を作るのにも適しているという。その言葉どおり、ギャラリーには椅子や植木鉢のように大きな作品も多い。

インテリアデザイナーとしての顔も持つ加藤さんは、新居のインテリアについての古賀さんの質問に熱心に答える。マンションのように新しくて硬い箱には、ヴィンテージの家具や信楽焼のような風合いの陶器を置くことでいい雰囲気になるという加藤さんのアドバイスを、古賀さんは熱心に聞き入っている。

「こちらのギャラリーにしろクラウンにしろ、素敵なデザインに囲まれると豊かな気持ちになることがわかったので、わが家のインテリアもがんばろうと思います」という感想を残して、古賀さんは「NOTA&design」を後にした。

サスティナブルな取り組みは、新しいラグジュアリーにつながる

再びクラウン(スポーツ)のハンドルを握った古賀さんは、次の目的地である「セトレマリーナびわ湖」を目指す。

あいにくの雨模様で、本来なら春の日差しに輝くはずの琵琶湖の湖面が白く煙っている。ドライブには望ましくないコンディションと思われたが、古賀さんは意に介さず、楽しそうにドライブを続ける。

「クラウン(スポーツ)を選ぶ際は、西田は最終候補を何台かに絞ったんです。知り合いの方のクラウン(スポーツ)に乗せてもらったときに安全装備が充実していることに感動して、“紗理那が乗るならコレだ!”と決めたと言っていました。そんな話を聞いているせいもあるし、実際にハンドルを握るとすごく安定しているので、安心して運転することができます」

静粛性の高さとしなやかな乗り心地、4輪駆動システムによる安定感、そしてさまざまなカメラやセンサーが見守ってくれる高度な安全・運転支援装置、さらには落ち着いたインテリアの雰囲気などがあいまって、ドライバーの心を落ち着かせるのだろう。

やがて、「セトレマリーナびわ湖」が見えてくる。安藤忠雄氏の元で研鑽を積んだ建築家の芦澤竜一氏が手がけた建築は、琵琶湖の自然に溶け込みながら存在感を主張しているのが特徴だ。周囲の景色に馴染みながら個性をアピールするという絶妙のバランスは、クラウン(スポーツ)のデザインにも通じる。

全14室がレイクビューだというゲストルームや、居心地のいいライブラリー、そして琵琶湖を吹く風がエオリアンハープという楽器を鳴らすミュージックホール(チャペル)などを見学しながら、古賀さんはスタッフの方からこのホテルのコンセプトの説明を受ける。

いわく、琵琶湖の自然との共生を図りながら気持ちのよいステイ体験をお届けするエコトーンホテルとのこと。たとえばレストランで出た生ゴミは敷地内のコンポストで堆肥に変え、この堆肥で育んだ食材でゲストをもてなす。

かつては捨てていたものを再生して循環させるという考え方は、減速エネルギーを電気に変えて再利用するクラウンのハイブリッドシステムと同じだ。また、環境に配慮した取り組みが、新しい形のラグジュアリーな体験につながることも、両者に共通している。

このテーマについて、古賀さんは真剣な表情でこんな感想を残した。

「もともと主人の西田と私がPHEVを選んだのは、燃費がよくて環境への負荷が低いからでした。でも今日、実際に運転してみるとこの仕組みがスムーズで気持ちのよいドライブにつながることもわかりました。だからサスティナブルな活動が心地よい滞在につながるというこのホテルの取り組みは、すごく納得できますね」

信念は変えずに、新しいことにチャレンジする

「セトレマリーナびわ湖」を出発して、京都市街へ。最終目的地は西陣の町家カフェ「noki noki」だ。ファッション誌『VOGUE』の編集者だったオーナーが設えたインテリアは、町家と和モダンのハイブリッド。居心地のいい空間でこだわりのコーヒーを楽しみながら、今日一日のドライブを振り返る。

実際にドライブしたクラウン(スポーツ)から、古賀さんはどんなクルマ生活をイメージしたのだろか。そう尋ねると、満面の笑みを浮かべて、「ものすごく明るい未来を想像しました」と即答した。

「あんなに格好よくて運転もしやすいクルマなので、これからいろいろな場所に出かけると思います。2頭の犬を飼っていますが、とても車内が広いので愛犬を乗せてドッグランに行きたいですね。西田は遠征が多いので、愛犬と一緒に駅へ迎えに行ったら喜ぶと思います。あと今日は素晴らしいギャラリーやホテルを紹介していただいて、現役時代はなかなかそういう余裕もありませんでしたが、これからは豊かな時間を楽しみたいと思います」

高校時代から日本代表に選ばれていた古賀さんは合宿や遠征が多かったため、趣味を楽しむような時間がとれなかったのだという。

「今日だけでも素晴らしいアート作品やホテルを知ることができて、自分の人生が広がりを持ったように感じました。今後、具体的になにをやるかはまだ見えていませんが、引退はゴールではなくスタートだと思っています。決めたことはやり抜くという点は現役時代と変わらないと思いますが、知らなかった場所に出かけて、新しいチャレンジをするというイメージが、今日のドライブで湧いてきました」

決めたことはやり抜くという信念は変えずに、新しい扉を開く──。古賀さんのこうした姿勢は、上質なクルマ生活を提供するという根幹は変えずに新しいデザインやテクノロジーに挑むクラウンに通じるものがある。古賀紗理那さんの新しい船出にあたって、クラウン(スポーツ)はふさわしい相棒のように思える。

古賀紗理那

1996年生まれ。熊本県出身。小学2年生でバレーボールと出会い、中学時代には全国大会で優秀選手に選ばれるなど、早くから頭角を現す。バレーボールの強豪、熊本信愛女学院に進学すると、在学中に日本代表のメンバーに選ばれる。卒業後はNECレッドロケッツに入団、最優秀新人賞を獲得した。日本代表選手としては東京五輪、パリ五輪に出場している。2024年、パリ五輪を最後に引退することを発表した。


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