10年で3万脚、驚異の販売数を誇る「アーチボルド」

1912年にレンツォ・フラウがイタリア・トリノで創業したポルトローナ・フラウ。ポルトローナとは、イタリア語でアームチェアのこと。サヴォイア朝イタリア王室御用達ブランドでもあり、高級レザーを使ったアームチェアは一斉を風靡し、30年代にはステータスシンボルとしてその地位を確立していった。また、現在ではフェラーリやポルシェ、マセラッティ、それに旅客機やクルーザーの内装を手がけていることでも知られている。

創業者のレンツォ・フラウによる「1919」や「ヴァニティフェア」といった名作アームチェアを生み出してきたポルトローナ・フラウが、これからの100年を担う代表作として2009年に発表したのが「アーチボルド」だ。デザインを手がけたのは、パリを拠点に活躍するジャン・マリー・マッソー。レザーをタイトに張った座面や背面と、背もたれ内側の優美なドレープが対照をなす。ポルトローナ・フラウの真骨頂ともいえる見事なレザー使いで、一世紀を超える知識の蓄積と、高いクラフツマンシップが発揮された傑作だ。「アーチボルド」は発表以来、10年間で3万脚という驚異的な販売数を記録し、ブランドの新たなアイコンとしてその存在感を放っている。

レザーをピンと張り詰めた座面や背面の曲線美と、ドレープが美しいコントラストを生んでいる。「アーチボルド」(W83×D80×H75×SH41㎝)
背もたれ内側の美しいドレープをはじめ、立ち上がったエッジのステッチなど、ディティールのひとつひとつに職人技が光る。
イタリア屈指の製革工場で、独自の鞣しや染色工程を経て生まれる「ペレ フラウ」と呼ばれる最高級のフルグレインレザー。なめらかな肌触りかつ通気性や汚れや摩擦への耐性に優れ、カラーバリエーションや仕上げの種類も豊富だ。

ゆったりとしたシートが華奢な脚とバランスよく調和し、気品あふれる佇まい。レザーを纏った彫刻とも言えるような美しいデザインに加え、低めのシートに座ると包み込まれるような安心感がある。そして時間をかけて身体に馴染むレザーの経年変化も、このチェアを所有する楽しみのひとつ。

スツールやダイニングチェアも加わり、拡張を続ける「アーチボルド」シリーズ。ヘッドレスト付きのタイプも。「アーチボルド キング」(W83×D89×H101×SH42㎝)「オットマン」(W67×D57×H37㎝)

「アーチボルド」ファミリーには、その後ひと回り大きな「アーチボルド グランコンフォート」や「アーチボルドラージ」、ヘッドレスト付きの「アーチボルド キング」や「アーチボルド A」など新たなモデルも加わった。レザーのバリエーションも豊富で、カラーや仕上げを165種類以上から選ぶことができる。好みやシーンに応じて自分にぴったりの一脚が見つかるはずだ。なめらかなレザーの肌触りを確かめながらシートに身体を預けると、いつの間にか心まで解きほぐされていることに気づくのではないだろうか。

POLTRONA FRAU TOKYO AOYAMA
ポルトローナ・フラウ東京青山
107-0062
東京都港区南青山 5-2-13
Tel. 03-3400-4321
https://www.idc-otsuka.jp/poltrona-frau-tokyo-aoyama/

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