萩原祥吾 shogo hagiwara
読売新聞の英字紙『The Daily Yomiuri』で記者として映画、アート、サッカーなどを担当した後、イギリスの出版社Haymarket Media Group(本社ロンドン)に転職。以後、編集者として働き『エスクァイア日本版』を経て独立。現在は、国内外の各種メディアやクリエイティブエージェンシーでエディトリアル制作や広告のディレクション、編集、執筆、翻訳などの仕事を日本語・英語の両言語で行う。旅行クチコミサイト『トリップアドバイザー』日本版立ち上げにも携わったほか、日本企業のウェブサイト、CSRレポートやプレゼン資料の英訳・英語制作も手がける。
アート作品をテーマにしたスイーツも見逃せない
都内から2時間と少しのドライブで行ける原美術館ARCの一番の魅力は、なんといっても世界屈指のアーティストたちが手がけた美術作品の数々を、上毛三山のひとつに数えられる榛名山麓の高原という大自然にあふれる環境で楽しめる点にある。
カップル、ファミリーはもちろん週末に思いついてフラッと愛車で出かけるソロドライブにも打ってつけの場所だ。美味しい高原の空気だけでなく、アートが放つクリエイティブのパワーまで全てを全身で体感することができる。
「建築界のノーベル賞」とも言われるプリツカー賞を受賞した建築家・磯崎新の手による建築も見どころだが、館内には、草間彌生、束芋、奈良美智、宮島達男、森村泰昌など、世界でその名を知られる日本人アーティストの貴重な作品が長期展示されている。また、緑豊かな庭園に一歩足を踏み出せば、アンディ・ウォーホル、ジャン=ミシェル・オトニエルをはじめとする作家のコレクションが点在し、美術鑑賞しながら散策も楽しめる。
現在(2022年4月)は、“作品制作や鑑賞のあり方の一端を表す言葉を豊かな自然環境に求める”という試みのもと前年の「虹をかける」に続いて「雲をつかむ」と題し、現代美術と東洋古美術の展示を2 期に分けて開催している。一見すると非現実的、不透明な事象からものの本質をつかもうと独自の理論・手法を編み出してきた作家の活動を「雲をつかむ」かのような行為と捉え、このテーマに沿った抽象絵画・立体・写真作品が会場に並んでいる。
また鑑賞後は、「ザ・ミュージアムショップ」で、お土産ショッピング! ジュエリー作家として活躍するノボル・シオノヤによるオリジナルのスワロフスキー・ネックレスや、束芋の描き下ろし作品を染め抜いた前掛け(エプロン)など普段の暮らしの中で楽しめる現代美術アーティストのグッズや関連書籍が豊富に揃っている。
また、大きな窓と高い天井が心地よい「カフェ ダール」では、絶景を堪能しながら、群馬県産の新鮮な食材を活かした食事や展覧会の作品をイメージして作られる数量限定の特製ケーキもお薦め。帰路への備えも兼ねて是非とも食して欲しい。
原美術館ARC
〒377-0027
群馬県渋川市金井 2855-1
www.haramuseum.or.jp/
展覧会「 雲をつかむ:原美術館/原六郎コレクション 」
会期 第 1 期(春夏季) 2022 年 3 月 19 日(土)―9 月 4 日(日)
第 2 期(秋冬季) 2022 年 9 月 10 日(土)― 2023 年 1 月 9 日(月・祝)
*特別展示室・觀海庵は、第 1 期、第 2 期ともに会期中各1回の展示替えがあります。