山﨑静子さんの軽井沢の自宅でのおもてなし。

山崎静子   Shizuko Yamasaki

PR会社代表 海外ラグジュアリーブランドのPRやブランディングに携わり、コンサルティング会社を経て独立。ライフスタイルブランドのマーケティング戦略のコンサルなどを行う。軽井沢と東京の二拠点生活を送りながら、ガーデニングやホームパーティを楽しむ。

屋根のない病院と評された軽井沢

軽井沢が日本有数の避暑地であり、別荘地であることはご存知でしょう。19世紀後半まで中山道の一宿場町であったこの地は、1886年(明治19年)カナダ人宣教師のアレキサンダー・クロフト・ショーに「発見」され、その美しい自然を「屋根のない病院」と評されたことから、多くの外国人が避暑に訪れる保養地へと一転。その後、日本人実業家や政治家、文人など多くの富裕な人々が別荘を持った旧軽井沢エリアを中心に華やかな発展を遂げました。最近はリモートワーク化が進んだことで東京とのデュアルライフを実現させる人や、「軽井沢風越学園」などで進歩的な教育を受けさせたいと親子で移り住む“教育移住”組も増加。以前はオールドリッチが住む旧軽井沢と、ニューリッチが住む中軽井沢ほか、という二層に分かれていたエリア分布も、新たに追分や御代田、さらには小諸あたりまで拡張され、地価はどんどん上昇。あたり一帯で‟軽井沢“としてのブランドが確立されています。

山﨑静子さんの軽井沢の自宅のお庭。6月には薔薇が咲き乱れる。

彼ら新旧軽井沢に暮らす人々がとても大切にしているのがネットワークづくりやボンディングのための社交。なかでも夏季にはそれぞれの邸宅に互いを招き、ホームパーティやBBQを行うのが慣例となっているのだとか。「なんて優雅で楽しそうな」と思う一方で、「大勢のゲストのための料理やワインを用意するのはさぞストレスになるのでは」とも勘繰るわけですが、「お料理自慢のマダムは別として、多くの方はシェフを呼んで作ってもらったり、ケータリングサービスを利用したり。またそこまでしなくても、一部の前菜などをデリで買うことでスマートに手抜きされていますよ。軽井沢のお惣菜は上質でおいしいものばかりです」と語るのは、山崎静子さん。山崎さんは自身が代表を務めるPR会社経営のかたわら、東京でミシュラン2つ星のフレンチレストラン「Crony」を経営するパートナー、トイ・プードルの愛犬2匹との東京~軽井沢デュアルライフを実践中。軽井沢の美食事情にくわしいThe Connoisseur(目利き)のひとりです。

そこで今回は山崎さんに軽井沢エリアの美味しいデリ&グロサリーをリコメンドしてもらいました。パンやスイーツなどその場で食べられるものも多いので、ドライブ途中の軽食によし、お土産によし、もちろん軽井沢の別宅でホムパしてもよし。別荘族にお招きをうけた際の手土産にも使えます。

Tartagnan(タルタニアン)

フランス食品ブティック「タルタニアン」。

キッシュやキャロットラぺ、パテドカンパーニュのような「もう1品あると便利」な惣菜や、カラフルでテ―ブルを華やかにしてくれるオリジナルシュークリーム「ペタンク」が美しく並ぶ“「前菜からデザートまで揃う」をコンセプトとしたフランス食品ブティック”。「リンゴとキャベツのコールスローなど季節の食材を活かしたお惣菜が美味。パンドミやカヌレなどのパン、焼き菓子もおすすめです」(山崎静子さん)。

お惣菜や焼き菓子が美しく並ぶ。
シュークリーム「ペタンク」は季節のフルーツなど日々数種のフレーバーがラインナップ。

Tartagnan(タルタニアン)

住所/長野県北佐久郡軽井沢町長倉(前沢)2607−2 
電話/0267-31-6146 
営業時間/10:00~18:00
休/水曜、不定休あり

Bakery Koo(ベーカリー・クー)

山小屋風の「Bakery Koo」。

最近人気の追分エリアで、薪焼き料理のレストラン「Restaurant Koo」に付設されているベーカリー。「ここ1年ほどで浅間サンライン(追分~上田を結ぶ県道と広域農道)の周辺にパン屋さんが急に増えました。どれも個性豊かで美味」(山崎静子さん)。この日はサンドイッチと、野沢菜を乗せたピザをゲット。レストランは完全予約制。

ネギとくるみを練り込んだ味噌味のパンなど、お惣菜パンも豊富。

Bakery Koo(ベーカリー・クー)

住所/長野県北佐久郡軽井沢町追分84-2
営業時間/10:00~15:00(売り切れ次第閉店)
休/月曜、火曜

May’s Bakery(メイズ・ベーカリー)

午後には売り切れてしまう「May’s Bakery」。

「カンパーニュ(田舎パン)ならここ」と山崎静子さんが推す「May’s Bakery」は午前中に売り切れてしまうパンも多いので、行くならお早めに。自然栽培もしくは有機栽培の国産小麦を使う食パン。バゲットサンド、イングリッシュスコーンも人気。

この日はあんこ入りの食パンをゲット。トーストしてバターを乗せたら美味!

May’s Bakery(メイズ・ベーカリー)

住所/長野県北佐久郡軽井沢町御代田2568-27
電話/0267-46-9066
営業時間/8:30~売り切れ次第終了
休/月曜、火曜、水曜

Feinkost Metzgerei Katayama / ファインコスト メッツゲライ カタヤマ / 片山肉店

軽井沢別荘族がごひいきにする精肉店、通称「カタヤマ」。

1972年に片山肉店として創業後、代替わりを機に「ファインコスト メッツゲライ カタヤマ」として店名変更。従来通り上質な精肉と、ドイツ仕込みのハムやソーセージなどシャルキュトリーにも力を入れています。長ネギに豚肉をくるくると巻き付けた「ネギの1本焼き」や、味付けしたスペアリブなどBBQ用商品が充実しているのも軽井沢ならでは。「冷凍ハンバーグや餃子も美味しいから、ゲストをお連れてしてもみなさん、たくさん買い物されています。鴨のコンフィやポルケッタなど温めればお出しできるお惣菜があるのもうれしい」(山崎静子さん)

ソーセージやハムなどのシャルキュトリーはもちろん、餃子やハンバーグも美味。
このまま焼けばOKのBBQ向きメニューも充実している。

Feinkost Metzgerei Katayama(ファインコスト メッツゲライ カタヤマ)/片山肉店

住所/長野県北佐久郡御代田町馬瀬口456-2
電話/0267-32-3539
営業時間:9:00~19:00(夏期は時間延長あり)
休/水曜、日曜
*支払いは現金のみ

Text and Photos by Miyako Akiyama

山崎静子さんが教える軽井沢別荘族ご用達のデリ&グロサリー
【後編】

日本随一の別荘地である軽井沢には、別荘族ご用達の美食スポットが多く存在します。そこで今回は軽井沢のグルメ事情に明るい山崎静子さんに、軽井沢エリアの美味しいデリ&グロサリーをリコメンドしてもらいました。パンやスイーツなどその場で食べられるものも多いので、ドライブ途中の軽食によし、お土産によし、もちろん軽井沢の別宅でホムパしてもよし。別荘族にお招きをうけた際の手土産にも。

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