眠れる道の再生
伊豆半島の南西部に位置する松崎町。小さな漁港のある海辺の町は、実は町の6割強を山林が占めている。山から切り出された樹木で古くから木炭生産が行われ、かつては木炭王国との盛名を誇っていたという。その歴史は江戸時代から続いていたと言われる。しかしやがて時代の流れとともに状況は変化し、樹木や炭を運んでいた山中の道も使用されなくなっていく。
そんな眠っていた道の存在を耳にし、再生を手掛けたのが松本潤一郎さんだ。17歳のころからバックパッカーとして海外をめぐり始めた松本さんは、ヒマラヤやアンデスのトレイルをトレッキングで踏破。南米大陸2万3000㎞をオフロードバイクで旅したのち、25歳で西伊豆に移り住んだ。そして山のアクティビティがほとんどないこのエリアに拠点「BASE TRES」を設け、生まれ変わったトレイルでMTBツアー「YAMABUSHI TRAIL TOUR」の提供をスタートした。
山から西伊豆の魅力を体感したいとツアー参加を決めたnicoさんは、松本さんと「BASE TRES」が営む宿泊施設「LODGE MONDO」で合流。電動アシスト付きのMTBを積み込んだワンボックスカーに乗り込み、出発した。西側は駿河湾に面しつつ、それ以外の三方を天城山系の山に囲まれる町の土地柄から目指すトレイルにはわずかな時間で到着。早速nicoさんはシェルジャケットを羽織り、ヘルメットを装着し、松本さんに続いてトレイルのなかに歩を進めていった。
「今日は初級者でも楽しめるコースをご案内します」と松本さん。そしてブレーキの使い方、姿勢についてといった乗り方のレクチャーを終えると、舗装道路のすぐ脇にあったトレイルの入口からドロップイン。あっという間に目に写る世界は変わり、自然に包まれながらの疾走体験がスタートした。整備されたコースは走りやすく、両サイドの木々が視界を次々に通り過ぎていく。バンクっぽい場所では軽く当て込んだり、といったアクションも楽しめ、さらに「山から海へ」という地形から、視界に駿河湾が入り込むことも。爽快痛快なライドが楽しめるのだ。
「ツアープランには、気軽にオフロードサイクリングが楽しめるe-RIDE、初めてでも本格的なトレイルライドが味わえるFUN RIDE、上級者も満喫できるEPIC RIDEがあり、また各々のプランに設定コースが複数あります。コース上のライン取りも自在で、エキサイティングな時間を過ごせるはずです」と松本さん。初ライドを終えたnicoさんもテンションが高まったような表情を見せ、「いやぁ、もっと攻められたな」と悔しさもちらり。それほど夢中になれるネイチャーアクティビティであり、しかもギアはすべてレンタルが可能。手ぶらで訪れ、遊び倒せるのだ。
nico
ラジオと自然をこよなく愛し、サーフィンの技術向上と語学習得のために、アメリカ、オーストラリアに滞在。
メキシコなど各国で車中泊をしながら旅やサーフトリップをしていた。
ライフスタイルはサーフカルチャーをベースにした音楽や映画、ファッション、車、旅から影響を受けている。
現在、アワードや記者発表などの次世代MCとして期待されるなか、サーフィンの国内や国際大会の実況を務める。
2020東京オリンピック サーフィン競技 会場MC/表彰式司会
J-WAVE NAVIGATOR/NSA JUDGE CLASS B 取得者