言葉失うほどの絶景サンセット
西伊豆にはカリフォルニアに似ている点がもう1つある。サンセットで太陽が海に沈むところだ。通常、太平洋側は東を向いているため太陽は海から昇る。“日出る国”という言葉から活力を感じるように、黄金色の太陽が徐々に姿をあらわす様子はポジティブなエネルギーに満ちている。しかし西伊豆はアメリカのウエストコーストと同様に海岸線が西に向くエリア。海に沈みゆく太陽を見ながらリラックス気分に浸れ、1日を締めくくれる場所なのである。
「僕が過ごしたサンディエゴでは、夕暮れ時になると地元の人がビーチに集まってきて、思い思いにサンセットを楽しむ光景がありました。西伊豆も同じですね。ゆっくりと沈む太陽を見ながら、周囲の風景がゴールドからオレンジ、ピンク、パープルに変わっていく時間は“マジックアワー”という言葉の通りに神秘的。いいものを見たなと得した気分になるし、心が穏やかになります」
西伊豆には絶景すぎる夕日を楽しめるスポットが多くある。なかでも「大田子海岸」と「堂ヶ島海岸」は日本の夕日百選に選ばれ、空、海、奇岩群などが夕景に染まり格別の美しさを魅せる。天候に恵まれた今回のトリップでもnicoさんは両方の海岸で絶景サンセットに遭遇、言葉を失っていた。
「BASE TRESの松本さんにオススメされた絶景スポット、西伊豆町の大浜海水浴場で目にしたサンセットは本当に絶景でした。大きな海水浴場には奇岩などがなく、目の前にあるのは大海原と水平線のみ。シンプルな光景ながら、いやシンプルだから、徐々に徐々に沈んでいく太陽の動きにダイナミズムを感じ、雲ひとつない快晴下で目にしたサンセットは一大スペクタクルでした」
冷たい西風が強く吹くなか、nicoさんは30分以上も海を見つめていた。動きあるものは荒れた海の波と太陽。そう思っていたとき、ふと景色が動いた。
「あ、サーファーが海に入って行きましたね」と言ったnicoさんの視線の先を追うと、確かに1人のサーファーが沖に向かっていった。波は風で荒らされ良いとは言えない。日没までもわずか。それでも海に入って行ったサーファーに、「コンスタントにグッドウェーブが楽しめるエリアではないと思いますし、サーフィンできる状況があれば少しの時間でもやりたいのかもしれませんね」と心情をおもんはかる。そして「サーファー、いるんだなあ」と予期せぬ光景に驚き、この地に対して一層のシンパシーを覚えたかのように、笑った。
nico
ラジオと自然をこよなく愛し、サーフィンの技術向上と語学習得のために、アメリカ、オーストラリアに滞在。
メキシコなど各国で車中泊をしながら旅やサーフトリップをしていた。
ライフスタイルはサーフカルチャーをベースにした音楽や映画、ファッション、車、旅から影響を受けている。
現在、アワードや記者発表などの次世代MCとして期待されるなか、サーフィンの国内や国際大会の実況を務める。
2020東京オリンピック サーフィン競技 会場MC/表彰式司会
J-WAVE NAVIGATOR/NSA JUDGE CLASS B 取得者