関東や中部地方で暮らす都市生活者にとって、伊豆半島はもっとも身近なリゾートのひとつだろう。城ヶ島や修善寺、伊豆高原など、一度は訪れたことのある人は多いはず。では西伊豆はいかがだろう。数はぐっと減るかもしれない。その理由は、「ここは陸の孤島ですから」と地元の人々が自嘲気味に笑うアクセスにありそうだ。
今回は単純な陸路に頼らず、清水港から土肥まで「駿河湾フェリー」で航行するという変化に富んだルートを採用することにした。航路をとることで、ひとときステアリングを手放し、穏やかに凪ぐ駿河湾と土肥からの海岸線ドライブとのドラマティックなコントラストを楽しんでいただきたいとの想いからだ。
その後、山間を駆け抜ける西伊豆スカイラインを経て、築300年の古民家をリノベーションした話題のスモールラグジュアリーリゾート「LOQUAT西伊豆」で羽を休めるという、都心からおよそ4時間のトリップ。紺碧の海原、海岸線、ヒルクライムと多彩な魅力に富んだ西伊豆を知れば、もうアクセスが不便だとは言いたくない。楽園はこんなにも、すぐ近くにあったのだ。
全4回にわたって、その魅力をお伝えする。